2025年、中国消費市場の新戦略:販路開拓の成功ポイント

2025.01.06

近年、日中貿易の状況は大きく変化しています。コロナ禍以前、中国市場への投資は盛んでしたが、ロックダウンや米中貿易摩擦の激化により、ビジネス環境が悪化し始めました。その結果、中国への投資を見直す動きや事業撤退が多く見られると同時に、一般消費財、衣料品、食品、酒類などを扱う中小企業の販路開拓の需要が高まっています。

中国市場はこの2年で消費動向が大きく変化しました。若者、とりわけ「中産階級」と呼ばれる中間所得層の収入が大幅に減少し、消費を抑え、「コスパ重視」へシフトしています。その結果、従来の中間所得層をターゲットとした商品、特に高品質でローカル製品より少し高価に設定された日本製品の売れ行きが悪化しています。

本コラムでは、2025年の中国市場での販路開拓における成功ポイントを解説します。

1. ポイントの解説

1.1 展開商品の検討
商売の中核はやはり「商品そのもの」にあります。中国は14億人の巨大市場であるため、「日本製品なら必ず売れる」と思われる方も少なくありません。しかし、実際には、日本製品あるいは日本式のサービスが全て受け入れられるわけではありません。例えば、かつて日本のうどんチェーンが中国で展開しましたが、変化の激しい中国の消費者ニーズへの対応に苦戦したケースもあります。

何にしても進出前に市場調査を徹底し、柔軟な商品展開を検討することが重要です。商品選定や多角的な展開の工夫が中国ビジネスの成功を左右する最重要ポイントです。

1.2 販売価格戦略
一昔前は、日本製品は中国製品よりも品質が高いと評価され、高い人気を誇りました。しかし、近年では中国製品の品質が大きく向上しており、さらに中間所得層の収入減少により「コスパ重視」の傾向が強まっています。その結果、日本製品も中国製品との価格競争を強いられる状況にあります。したがって、競争力のある価格戦略が不可欠です。

1.3 品質とコストの見直し
多くの中国消費者にとって、日本の品質は依然として信頼の対象です。しかし一部の製品カテゴリーでは、品質よりも価格を重視する消費者が増えています。このような状況に対応するためには、以下の戦略が考えられます。

・従来の高品質路線を維持したまま、新たなターゲット市場を開拓する。
・クオリティを若干調整してコストを抑え、中国製品と同価格帯で競争する。

いずれにせよ、現地市場に合わせた柔軟な品質戦略の見直しが求められます。

1.4 販売チャネルの検討
中国市場では、従来の店舗販売に加え、ローカルEC(電子商取引)や越境ECなど複数の販売チャネルが存在します。各販売チャネルは、それぞれメリットとデメリットがあり、商品の特性やターゲット層に応じた最適なチャネルを選択することが成功の鍵です。

2. 弊社のサポート
2025年、中国市場は大きな転換点を迎えると予想されます。既に進出している企業だけでなく、これから進出を目指す企業にとっても、事業戦略の再検討が必要です。特に近年、ECの普及により、オンラインで商品を販売すれば自然と消費者が購入してくれるものと考える企業が少なくありません。確かにECは利便性を提供しますが、同時に競争を一層厳しいものにしました。この競争に勝つためには、中国製品との差別化を図ることが最重要課題です。

ONE TENTHグループでは、多様な業界の企業とともに中国ビジネスを支援してきた豊富な経験を活かし、商品の開発・調整、価格設定、販売チャネル選択などを包括的にサポートいたします。

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